2004年12月6日 報道発表
※2004年12月7日 一部修正


トウモロコシのでんぷんから合成されたプラスチックであるポリ乳酸を使用

CO2抑制や石油資源節減に役立つ
「環境に配慮したDVDディスク」を開発


〜独自技術により、通常に室内使用できる耐熱性と、
現行ディスクと同等の量産性を実現〜
〜DVDだけでなく、CDやブルーレイディスクも製造可能〜




「環境に配慮したDVDディスク」試作品

写真は「環境に配慮したDVDディスク」試作品(直径8cmタイプ)です



 日本ビクター(株)は、トウモロコシのでんぷんから合成されたポリ乳酸を使用した「環境に配慮したDVDディスク」を開発しました。
 ポリ乳酸は、トウモロコシなどのでんぷんを用いて合成された植物原料由来のプラスチックであるため、地球温暖化の原因である温室効果ガス(二酸化炭素<CO2>)増加の抑制、枯渇資源である石油の消費量節減など、環境負荷低減に寄与する材質です図1参照。しかしながら、従来の透明なポリ乳酸は、石油を原料としたプラスチックに比べ一般的に耐熱性が低く、光ディスクの基板として用いたとき、再生する機器内の温度上昇によりディスクの変形が起き、再生が困難になる可能性がありました。
 当社は独自技術により、ポリ乳酸を主成分としながらも、耐熱性に優れた光ディスク用透明プラスチックを開発するとともに、ナノテクノロジーを駆使した高度なディスク製造技術を用いて、室内使用時において実用可能な信頼性を実現しました。
 さらに本DVDディスクは、通常のDVDディスクと同様の射出成形方式で微小な信号ピットを形成するので、高い量産性を実現しています。また本技術は、DVDディスクだけでなくコンパクトディスク(CD)やブルーレイディスク(BD)など、多くの光ディスクに適用が可能です。
 なお当社は、12月9日から東京ビッグサイトで開催される展示会「エコプロダクツ2004」のビクターブースにて本DVDディスクを参考展示する予定です。
 当社は、今後も地球環境の保全に貢献する技術開発に取り組んでいきます。



<本ディスクの主な特長>
(1) 通常に室内使用できる耐熱性を実現
DVDディスクに要求される光学特性を損なうことなく耐熱性を向上させた、ポリ乳酸主成分の新規開発光ディスク用透明プラスチックを使用することにより、従来のポリ乳酸を使用したDVDと比較し、約15℃耐熱性が向上(当社比)。これにより、輸送・保管や室内使用時において再生する機器内の温度上昇に耐えられる、実用性のあるDVDディスクを実現。
(2) 現行ディスクと同等の量産性を実現
通常のDVDディスクと同様の射出成形方式で微小な信号ピットを形成するとともに、原盤作製からディスク完成まで、ナノテクノロジーを駆使した高度なディスク製造技術を用いることにより、量産性の高いディスク製造を実現。
(3) DVDだけでなく、CDやBDも製造可能図2参照
新規開発光ディスク用透明プラスチックは優れた光学特性を有するため、DVD/CD/BDに利用可能。
※本プラスチックは、当社と東レ株式会社との共同開発品です。

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図1<植物原料由来のポリ乳酸は、環境に配慮したプラスチック>

環境に配慮したプラスチック

・温室効果ガス(二酸化炭素,CO2)増加の抑制(カーボンニュートラル
・枯渇資源である石油の消費量節減

※カーボンニュートラル・・・二酸化炭素(CO2)の増減に影響を与えない性質のこと。例えば、石油などの化石燃料を燃やした場合は大気中のCO2を増やすことになるが、植物原料由来のプラスチックの場合は、もともと植物は光合成により大気からCO2を取り込んでいるので、廃棄・焼却後も大気中のCO2を増加させることにはならない。(CO2のインとアウトがほぼ同量=カーボンニュートラル)


図2<いろいろな光ディスクに適用可能>
いろいろな光ディスクに適用可能
CD、DVD、BDのディスク断面構造(再生専用ROM型)


※:このページの内容は、報道発表日時点の情報です。その後、内容に変更が生じる可能性があります。



この件に対するお問い合わせ先

日本ビクター(株) 広報室 03-3289-2813


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