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Victor・JVC /The Perfect Experience
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技術情報

技術者インタビュー

技術者インタビュー〜倍速液晶『倍速120コマ』編〜
ディスプレイ開発部 主席技師 相羽 英樹

液晶テレビの技術的な命題であった「映像がブレて見える」のを解決するために、ビクター・JVCでは業界の先駆けとなる独自の倍速液晶「倍速120コマ」技術を開発し製品に搭載、発売しました。この技術はビクター・JVCの“映像”に対するこだわりと、長年培ってきた「高画質技術」によって実現したものです。
この「倍速液晶」技術について、ディスプレイ開発部 相羽 英樹にインタビューしました。
(このインタビューは2006年11月に行なったものです)


●倍速液晶「倍速120コマ」技術についてわかりやすく説明してください。

簡単にいうと「動いた画像がぼやけて見える」などの液晶テレビの不得意とされていた動画映像を「ブレずに」「クッキリ」表示させるビクター・JVCの独自技術です。この倍速技術は1秒間に60コマで表示している映像を、コマとコマの間に高精度の演算処理により新たな映像をつくり出し、倍の「120コマ」で表示することで、より滑らかで「明るく」「クッキリ」と表示させるための技術です。


●液晶テレビはどうしてブレて見えるのですか?

普通、人間がテレビのような映像を認識するためには1秒間に60コマの画像が必要といわれています。液晶テレビでは60分の1秒間に相当する1コマをずっと止まって表示し、その次のコマも60分の1秒間止まった状態で表示しています。ですが人間の目は止まっている画像を1枚づつ追いかけているのではなく、動いているものをなめらかに目で追いかけています。その結果、目の中で画像全体を1コマ1コマの平均として捉え、コマとコマの間の動いた端の部分、つまりエッジ部分がブレて見えます。これが液晶テレビの映像がブレて見える原因です。


●ブラウン管テレビはどうしてブレて見えなかったのですか?

ブラウン管テレビも1秒間に60コマ(海外地域によりコマ数には差があります)で表示していますが、ブラウン管テレビではコマとコマの間は光を発しない真っ黒な状態になっています。表示された画面で一瞬の強い光が発生して、人間の視覚・感覚に強烈な印象を残していくため前の画像が残像とならずに、ブレのない映像として見ることが出来ます。
しかし、画面の光が点滅して表示されているので、どうしても「ちらつき」感がでてしまう問題がありました。


●液晶テレビもコマとコマの間に黒い画面を入れたら同じ効果が得られるのでは?

確かにいままで発表された映像技術に関する論文では、液晶テレビ特有の問題を解消するにはブラウン管テレビと同様に「黒挿入」と呼ばれる間欠駆動で「ブレ」を低減させる方法が実用的であるといわれてきました。しかし、コマとコマの間に黒い画面を入れるとなると、人間の視覚・感覚的に画面が暗く感じることが出てきます。それを補うためにバックライトの光を強くすると、今度は消費電力が大きくなり電気代がかかってしまいます。またブラウン管テレビ同様「ちらつき」感が出てしまいます。


●そこで倍速液晶「倍速120コマ」なのですね。

そうです。先ほどお話した映像技術に関する論文では 「黒挿入」のような間欠駆動のほかに「倍速表示」で、液晶テレビ特有の問題を解消できることは知られてていたのですが、「倍速表示」のコマ数を増やす技術は実用化が難しいと言われてきました。
とはいえ「黒挿入」では「ちらつき」や「画面が暗くなる」などの課題を解決できるわけではありません。そこでビクター・JVCでは、コマとコマの間に新たな映像をつくり出して、「ブレ」のない明るい映像を実現する倍速液晶「倍速120コマ」の開発に取り組むことにしました。


●倍速液晶「倍速120コマ」の強みはなんですか?

「明るく」「ブレずにクッキリ」 が倍速液晶「倍速120コマ」の強みです。液晶テレビで画面の明るさは重要です。ですが明るいけれども、ブレのある映像では、映像を見る楽しみそのものが損なわれてしまいます。
倍速液晶「倍速120コマ」では、実用化が難しいとされていたコマとコマの間に新たな映像をつくりだして、滑らかな映像を実現し、また、バックライトを常に発光させることによって、液晶テレビの明るさを損なうことなく、動きの速い映像をクッキリと映し出し、リアルな映像を実現しています。


●苦労した点はありますか?

実は、コマとコマとの間に新たなコマをつくるという考え方はブラウン管テレビの時代からありました。海外では1秒間のコマ数が50コマという地域もありますので、「ちらつき」を抑えるために新たなコマをつくっていました。このような従来からの経験や技術の蓄積が、今回の「倍速120コマ」液晶の開発にも受け継がれています。
実際に倍速を可能にするには、まず新たなコマをつくるためのアルゴリズム(演算処理)の開発が必要です。そして「倍速120コマ」を表示させるための液晶パネルの開発も必要になります。アルゴリズムの開発およびそれに伴う専用IC開発と、倍速駆動に対応する液晶パネルの開発を同時に行い、お互いの能力を最大限発揮できるものにしてくのは、やはり苦労しました。


●最後に一言

多くのお客様に欲しいと思っていただける製品づくりを目指したいと思っています。それがどこにでもあるものではなく、ビクター・JVCでなければ売っていない、ビクター・JVCでなければ対応できなかったという技術開発、製品づくりで目指していきたいです。
現在※は倍速液晶「倍速120コマ」をフルハイビジョンで実現するために更なる開発を進めています。

※2006年11月インタビュー当時のものです。当社では、2007年5月に「フルハイビジョン倍速液晶」を発表しました。


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